お口の悩みQ&A (4/4)
保健適用治療以外の審美性(美しさ)を重点においた専門的な治療です。
例えば、食物中の色素・タバコのヤニ・加齢によって変色した歯をクリーニングやホワイトニングなどで漂白して白くする方法です。
また、天然歯に近いセラミックなどの特殊な材料のさし歯を入れたり、歯がなくなってしまった部分の歯ぐきにインプラントという人工歯根を植え込む方法です。
歯ぐきが黒ずんだ人にはレーザーにより、本来の歯ぐきに戻す方法、歯並びの悪い人には、歯列矯正をして、きれいな正常な歯並びにする方法などがあります。
歯のホワイトニングとは、遺伝や小さい頃の飲み薬、加齢などの原因により、色調が変化した歯を漂白する方法です。
歯にかぶせ物をしたり、表面を薄く削ってセラミックなどを貼り付ける方法と違い、天然歯そのものの色調を変化させます。
実際には、歯科医院の診療室でレーザーを用いて漂白する方法や、歯科医院でマウスピースのようなものを作成後、ご自宅で薬剤をマウスピースに注入し、漂白を行う方法などがあります。どの治療法も薬剤により漂白を行いますので、治療中は歯に知覚過敏がおきたり、噛んだ時にひびくような感覚がおこることもあります。ただ、ほとんどの場合、薬剤の使用を中止すると治癒します。
また、歯の漂白の程度には個人差がありますので、どの程度色調が戻るかは、歯科医師と相談してから行うことが大事です。
歯の色が気になって笑顔の時に無意識に手で口を覆い隠したり、気になる方は一度歯科医師に相談してみてはいかがでしょうか。
日本語で人工歯根と言われています。歯科の治療技術としては最近、少しずつ知られて来ました。
骨や歯の成分であるハイドロキシアパタイトをチタンにコーティングしたネジ状の人工歯根を、歯を抜いて欠損となった部位に埋入しその上に歯冠を被せ、歯として使います。自分の歯と全く変わらず同じような使用感で使え、耐久性も天然歯と同様です。前歯などの外観も天然歯と変わらない美しさが実現できるようになってきました。これまでの入れ歯やブリッジのように歯を削ることは原則としてありませんし、噛む力をしっかり受け止められるので、周辺の歯にかかる力の過剰な負担を和らげる効果もあります。
インプラントは、1965年から人間に応用されてきた技術で、成功率も非常に高く、急速に普及してきていますが、症例に制限もあり、きわめて専門的な高度技術でもあります。
治療費も高価です。希望の方は歯科医師とよく相談し十分に理解してください。
壮年以降の口腔環境や機能を低下させる重要な症状に口腔乾燥症があります。高齢化が進行するにつれて、乾燥症を訴える患者さんが増えてきました。唾液の分泌が減少すると、歯肉の炎症、舌乳頭の萎縮、虫歯の多発、歯周病の悪化、摂食・嚥下困難など時に深刻な症状をおこすこともあります。
加齢に伴う生理的な影響として、水分代謝の変化、唾液腺分泌細胞の減少、分泌量の減少などが考えられますが、一方、唾液腺は巨大かつ非常に余力のある腺であり、疫学的には加齢だけでは口腔乾燥症は生じないともいわれています。口呼吸や睡眠中のいびき、糖尿病、膠原病の一種のシェーングレン症候群など原因のはっきりしたものもありますが、原因の特定ができないものも多くあります。
多くの薬に唾液抑制の副作用があり、原因のひとつではないかとも言われています。原病の治療が大事ですが、原因不明の場合には、人工唾液など対症療法が行われます。
近年金属アレルギーや類似疾患が増加してきたといわれ、歯科用金属にも注意が向けられています。花粉症、アトピー性皮膚炎などが増加していることや、その原因として考えられている食品添加物、残留農薬、大気汚染など環境汚染が下地となっているであろうことはいうまでもありません。
汗や唾液でイオン化した金属イオンが体内に取り込まれ、たんぱく質と結合してアレルゲンとなり、身体が感作され、再びこのイオンが取り込まれたんぱく質と結合するとアレルギー症状を起こします。
歯科用素材ではセラミック、純チタンが最も安全性が高く、貴金属もイオン化しにくく、安全性の高い金属です。アマルガムに含まれる無機水銀は危険な金属の一つです。
金属アレルギーは長年にわたって蓄積されて起こるものであり、個人差の強いものです。
ピアスなど装身具で起こるものが多く、歯科用金属では比較的少ないとされます。疑わしきは専門家による診断が重要です。
キシリトールは白樺などの樹木からとれる糖アルコールで、砂糖に匹敵する甘みを持つ天然甘味料です。果実や野菜にも含まれ、人体に全く安全であり、肝臓でも製造されています。代謝されるときにインシュリンに頼らないため糖尿病の人にも安全です。
キシリトールは虫歯を防ぐ甘味料として知られています。その理由は大きく2つあります。
キシリトールには世界で認められた虫歯の予防効果があります。かかりつけ主治医と相談し、上手に利用しましょう。
高齢化社会において、在宅医療対策のひとつとして実施しているものです。
居宅療養中、社会福祉施設(介護老人保健施設・特別養護老人ホーム・歯科以外の保健医療機関)の寝たきりの方か、必ずしも常時寝たきりの状態でなくても、日常生活に介護を必要とする方や、介護なしでは一人で外出できない方、また心身障害の状態が医学的に困難で通院ができない方を対象に、歯科医師・歯科衛生士が往診して、虫歯や入れ歯の治療・口腔内清掃・口腔ケア指導・摂食機能訓練などを行います。
現代日本の食文化は、かつてない豊かさを誇っています。
しかし、一方で意識的に口の中の健康を心掛けないと、必ずと言っていいほど歯科疾患が起こることも事実です。
現代の食環境は、生物としての人間にとって、健全とは言えないかも知れません。
とくに40代を過ぎたころから、歯周病による歯の喪失が増加します。健全な高齢期を迎えるためには、この頃からの歯の健康を保つための対策と予防が絶対の条件です。
40歳を超えると急速にう蝕や歯周病のリスクが高まります。虫歯や歯周病の早期発見と、歯の健康作り・予防の為の相談にも応じておりますので、お気軽にご受診下さい。