お口の悩みQ&A (2/4)
口臭を気にして診察を受ける人の半数以上は、実際には他人が気にならない程度の臭いであると言われています。まず、本当に臭うのかどうか、身近な人に尋ねてみて下さい。
朝起きたときや口が渇いたときなどに、一時的に口臭のすることがあります。これは生理的口臭で、特に治療の必要はありません。
他人に指摘されるような口臭の80%以上は口腔内に原因があるといわれています。その内訳は、歯垢、歯石、舌苔や不潔な義歯、歯周病(歯槽膿漏)や虫歯、腫瘍など、ほとんどが細菌由来のものです。口の中が乾燥すると、さらに口臭が発生しやすくなります。
また、タバコは、それ自体が臭いの発生源ですが、歯周病を悪化させる大きな原因となります。
口腔以外に原因があるものとしては、耳鼻科系の疾患や、糖尿病、胃腸などの内科系の疾患などがあります。
口臭の80%以上は、口腔内に原因があります。その内訳は、歯垢、歯石、舌苔や不潔な義歯、歯周病(歯槽膿漏)や虫歯、腫瘍など、ほとんどが細菌由来です。
したがって、口の中を清潔に保つことが一番の予防法です。そのためには正しいブラッシングを習得する事が重要です。歯科医師や歯科衛生士の指導のもと、正しいケアを心がけましょう。もちろん、虫歯や歯周病などがある場合は、きちんと治療を受ける必要があります。
また、口の中が乾燥すると、唾液による自浄作用が低下して細菌が繁殖し、口臭も発生しやすくなります。口で呼吸する傾向のある人は注意しましょう。全身疾患や服用薬によっては口が渇くこともあるので、疑われる場合は主治医に相談してみて下さい。
糖尿病の方が歯科を受診する際は、最近の検査データ、服用薬など、詳細を歯科医師にお伝え下さい。
重度の糖尿病の方は、細菌に感染しやすいため、抜歯などの出血を伴う処置を受ける際には、抗菌剤を事前に服用する必要があります。また、治療のストレスにより低血糖ショックを起こす可能性もあるので注意が必要です。
なお、歯周病と糖尿病には相関関係があり、歯周病が改善することによって糖尿病も改善してくることが明らかになってきています。
歯周病は、ほとんどの場合、正しいケアを行い、口腔の衛生状態を改善することによって、進行を抑制・予防することが可能です。生活習慣病といわれる糖尿病ですが、食生活や運動不足だけでなく、口腔衛生の習慣についても見直す必要がありそうですね。
歯や歯ぐきの治療を受けるのは、小さな手術をするようなものです。安全に治療を受けるには、歯科医師があなたの全身状態について詳しく知る必要があります。
他科を受診するときと同じく、歯科を受診する際も、持病や服用薬について詳細を歯科医師にお伝え下さい。薬を処方されるときに渡される説明書などを持参されるといいでしょう。
服用している薬によっては、口が乾きやすくなったり、歯肉が腫れやすくなったりする場合があります。
血が固まりにくくなる薬(ワーファリン、バイアスピリン、小児用バファリンなど)を服用している場合は、抜歯など出血を伴う処置に注意が必要です。
骨そしょう症の薬をお飲みの方はお申し出ください。
また、歯科で処方される薬と相互作用し、副作用を起こすものもあります。
病状の変化等で服用薬に変化があった場合にも、必ず受診時にお伝え下さい。
虫歯や歯槽膿漏には様々な原因がありますが、主な原因はプラーク(歯垢)と言う細菌の塊です。
お口の中は、細菌が住み良い環境にあります。そして、歯の面にくっついて徐々に繁殖していきます。ですから日頃から細菌を除去すれば、虫歯や歯槽膿漏は予防することが可能です。
そのためのは、普段の歯磨きがとても大切なのです。しかし、歯磨きをしていても細菌がとれていないことが多いため、正しい歯磨きが必要です。
歯を失う一番の原因は、虫歯と歯槽膿漏です。一生自分の歯で食べることができるよう、予防の大切さを理解してください。
歯槽膿漏の予防には口の中の状態を良くすることが大切ですが、歯の形は平らなものではなく複雑な形をしているため、すみずみまで汚れを落とすのは大変です。
このため、歯ブラシは、
といった使い方をし、一本一本丁寧に時間をかけなければきれいになりません。
歯ブラシ以外にもデンタルフロスや歯間ブラシなど、補助の道具がありますので、歯ブラシと併用することにより効果的に磨くことができます。
また、よく物を噛んで咀嚼することにより、口の中の自浄性を高めることや、全身状態を健康に保つことも必要です。
歯槽膿漏を予防するのにもっとも大切なことは、現在の自分の口の中の状態を良く知ることです。
虫歯に比べ症状がでにくいため、悪化してからあわてる場合が多く見られます。
60%から70%の人が程度の差はあれ、歯槽膿漏にかかっているといわれていますが、全身の状態や歯の形、歯並びなどにより、予防の方法は一人一人異なっていると考えて良いと思います。
予防方法は、簡単に言えば『汚れがとれているか』ということになります。まず、歯科医師に清掃状態を調べてもらい、効果的な予防方法の指導を受けるのが近道です。
歯磨きは色々な方法(ローリング法、バス法、スクラビング法など)があります。
要は「何のために歯磨きをするのか」目的を考えながら磨くことが大事です。
それはまず、歯についている食べカスをきれいに取り除くこと(虫歯予防)、歯ぐきをマッサージして血行を良くすること(歯周病予防)です。
それには、人それぞれ歯の萌出方向やお口の中の環境が違うので、自分に合う磨き方を習得する事が重要です。
基本的には、歯のかむ面、表、裏側、歯と歯の間を一本ずつ丁寧に磨くことです。
歯間ブラシやデンタルフロス等、補助的清掃用具を使用するのも良いでしょう。できれば歯科医院で磨き残し易い場所を診てもらいブラッシング指導を受けると良いでしょう。
歯磨きの基本は、歯の周囲に付いた汚れを一本ずつ清掃することなので、歯の本数、歯並び、歯肉の状態などのより、必要な時間は変わってきます。まず、かかりつけの歯科医師・歯科衛生士の指導を受けてください。ご自分に必要な用具や方法がわかるはずです。
完璧にしようとするとどうしても時間がかかってしまいますが、時間のない方は、夜寝る前の歯磨に重点を置いてください。寝ている間は唾液の分泌が少なく、細菌が繁殖しやすいためです。
他の病気と同じように、虫歯や歯周病も、ストレスや生活習慣の乱れに影響を受けます。規則正しい歯磨きの習慣を作り、生活リズムを整えることは、お口の中のみならず、身体全体の健康にとっても良いことです。
ローリング法をはじめ、バス法などいくつかの方法があります。しかし、基本は「歯についた汚れを取る」ことなのです。ただゴシゴシこすって磨いたというのは間違いです。歯や歯肉にキズをつけずに汚れを取る方法は、一本一本丁寧に時間をかけることです。
アゴの大きさ、歯の形、歯並びなど一人一人違います。自分にあった歯ブラシの使い方を工夫し、それでどれ位汚れが取れているかをチェックしましょう。歯医者さんで歯ブラシ指導を受けてみるか、ご自分で染め出し液を使って赤くなった部分をチェックしてみるのもよいでしょう。
歯ブラシの使い方の基本は、歯を一本ずつ掃除するつもりで、細かく動かすことです。
したがって、頭部が大きすぎるものや、特殊な形状のものは、全体をまんべんなく清掃するのには不向きです。歯ブラシ選ぶときは、握りやすく、頭部が小さめのものを選びましょう。
毛の材質は、ナイロン毛が一番適しています。硬さは、硬すぎると歯肉を傷つけ、柔らかすぎると清掃効果が低くなります。毛の形は、歯周病がないか、程度の軽い人は毛先が平らなものを、歯周病が進行し、すぐに出血するような人は毛先が細くなっているもの(テーパー毛)を選ぶと良いでしょう。
最近は電動ハブラシも普及しています。特に、毛先が細かく振動する音波・超音波ブラシには高い清掃効果があります。何を選ぶかも重要ですが、かかりつけの歯科医師・歯科衛生士に相談するようにしましょう。
虫歯予防に重点を置くならフッ化物含有のものを、歯周病予防なら、歯周病に効果がある成分を含むものを選ぶと良いでしょう。
ただし、歯磨剤を使うと、口の中がさっぱりするので、十分に清掃できていなくても磨けた気になってしまいがちです。歯垢が残った状態では、薬効は期待できません。
また、研磨剤の入った歯磨剤をたくさんつけて磨くと、歯の表面が磨耗してくることがあります。歯磨剤はあくまで補助的なものであり、何もつけずに歯ブラシ・デンタルフロス・歯間ブラシ等で汚れを落とせるようになることが基本です。
まず、かかりつけの歯科医師・歯科衛生士に相談し、正しい清掃の技術を習得することが大事です。その上で、ご自分に合った歯磨剤を使用されると良いでしょう。
歯ブラシだけでは、どんなに上手に使っても歯の間に汚れが残ってしまいますが、糸ようじ(デンタルフロス)・歯間ブラシは、歯ブラシが届かない歯の間を清掃するのに非常に適しています。
虫歯や歯周病になりやすい方は、積極的に使うことをお勧めします。
デンタルフロスには、柄のついているものと糸だけのものがあります。慣れないうちは、柄がついているものの方が使いやすいでしょうが、糸だけのものの方が経済的です。
歯間ブラシは、歯の隙間の大きさにあった太さのものを選んで下さい。例えば同じSサイズでも、メーカーによって若干の差があります。
何が適切かには個人差があります。正しい用具を選択し、正しい使用法を身につけるためには、かかりつけの歯科医師・歯科衛生士に相談するとよいでしょう。
PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの略で、歯科医師・歯科衛生士などの専門家により、様々な器具とフッ化物入りペースト等を用いてすべての歯面とその周辺のプラーク(歯垢)を機械的に除去する方法です。
これにより歯磨きなどでは取れにくい細菌を徹底的にこすり落とします。
PMTCは、歯や歯肉の清掃を専門の器具を使ってていねいに行いますので予防効果が高いだけでなくとても気持ちがいいものです。
前歯に行う歯冠修復(かぶせ物)には、主に以下のものがあります。
1、2については、医療保険でも作れます。
3、4、5、6、7については保険適用外の治療になりますので自費治療です。
基本的に、入れ歯も御自身の歯も毎食後みがく点は同じです。入れ歯にもプラーク(歯垢)が付着しますので、機械的にブラシで落とします。
まず、入れ歯をはずして、歯ブラシまたは入れ歯用ブラシを使い水洗いします。歯に使う歯磨剤は、研磨剤が入っている場合があり、入れ歯に細かい傷がつくことがあるので使用しない方が良いでしょう。
入れ歯の内面、歯の部分、金具の部分についた歯垢をていねいに落とします。
滑りやすいので、力を入れすぎて割ったり、変形しやすいので注意しましょう。
また、落として排水溝に流してしまう危険もあるので、タライのような物の上で洗うと安心です。